基本的な内容ですが、ISO感度の事をもうちょっとだけ説明してみます (^^
ISO感度を上げるとノイズが増えるのはご承知の通りですが、なぜ増えるのか。
ISOを上げるということは電気的に増幅する処理です。
音響機器の音量を上げるのと同じ事ですね。
ISOを上げると元々あるノイズが増幅されるため、ノイズが見えてくるのでございます。
[ 模式図 ]
撮像素子は露光していない状態でも常に一定レベルのノイズが存在しております。
これを暗電流ノイズと言います。
通電している状態だと現在の技術ではこれを完全に無くすことが出来ないのでございます。
もちろん撮像素子メーカーは様々な工夫をして暗電流のイズをキャンセルする処理を実装しているのですが、
完全に 0にするのは不可。
※露光前に暗電流ノイズを取得し、実際に露光したデータから引き算するとか、
しきい値以上のデータだけRAWデータ化するなど。
ですので、最低感度で撮影したデータにもノイズは入っております。
(微弱な信号はデータなのかノイズなのか判別不能な為)
ノイズ以外のデータのレベルが大きいので目立たないだけですね。
図の説明です。(暗電流ノイズは分かり易いように極端に大きくしてあります)
露出補正をすると言うことは露光量を減らして電荷量を少なくする処理です。
相対的にノイズレベルへ近づいて行きますが、暗くなる写真ですし電気的な増幅処理はしていませんので
ノイズは顕在化しません。
右側は ISOを上げた時と現像で増感した時の模式図です。
ISOを上げると言うことは少なく露光したデータを標準露出まで電気的に増幅する処理です。
Mモードで F値と SSを固定して露光量を一定にしても、ISOを上げていくと明るく写る事でその事が
理解できると思います。
で、前記事のマイナス補正して現像で増感するというのもこれと全く同じ事です。
左の露出補正時の電荷量の図 + 右の模式図となるわけですね。
増幅処理は一緒で、それをカメラ内部でやるか現像でやるかの違いだけです。
[ ISO4500 ]
ISO800とかISO3200というのはどれだけ増感するかの指標なだけで、実際には基本感度で少量露光しています。
で、電荷が少ないので足り無い分を標準露出になるようにゲインアップしているのでございます。
感度が異なる撮像素子を切り替えて露光しているって事では無いって事です。
撮像素子は1つだけなので当然ですね (^^
あと、なるべくノイズが抑えられるようにゲインアップの方法も色々工夫されています。
なので厳密にはカメラ内部のISO変更と現像処理でする増感には違いが出てくるはずですが、
ユーザーの運用レベルでの違いはほとんど無いと言って良いと思います。
ノイズはノイズだしw
[ おまけ ]
ボディーキャップを付けたカメラで ISO100 1/125 に設定して撮影した画の等倍クロップです。
上部は撮れた画の中央の状態で、下部はその画のコントラストを極端に上げたものです。
シャッターは切っておりますが、全く露光していない状態です。
輝度が0であればコントラストを上げても真っ黒のはずですが、この様な状態になりました。
ISO100&露光していなくても何らかの信号が記録されていることになります。
専門家ではないので明言できませんが、これが暗電流ノイズかな? (^^
おはよう御座います(^^
カメラ側は電気信号、光は波長で、それを捉えて変換してる
撮像素子って、凄い仕事してるんですよね(^^
たまに掃除する時に見てますが、思わず手を合わせてしまいます(-人-)
カメラもデジタルになり、光学系だけでなく電子技術も相当のものが
必要なのは当然でしょうが、カメラ関係の特許サイトなど見てると、
レンズも電気的な技術やガラス以外のレンズの開発など、見ていて楽しいです♪
カメラってそういう先端の技術も必要ですが、人間の感覚的な要素も
必要なので、手にする道具として最高に楽しいです(^^
おはようございます。
ISO感度の記事を読んで知識が深まりました。
折々に読み返して、参考にさせて頂きます。
>撮像素子メーカーは様々な工夫をして暗電流のイズをキャンセルする
処理を実装
K-7のカタログを見ると、「各種ノイズの発生を抑えた新CMOSセンサーと
ノイズ処理能力を大きく向上させたPRIME IIにより、K-7はさらなる低
ノイズを実現しました。」
これですね。
う~ん、K20Dの兄弟センサーですが、カタログが謳っている、ノイズの
の軽減を感じないのはなぜかな?
K20Dよりノイズが少ないはずが、ノイズが多い現実
ひょっとして、撮影映像素子はノイズが少ないけど、映像素子のアナロ
グ信号をデジタルに変換する過程でノイズが乗っているのでしょうか?
それとも、映像素子の読み出しを4チャンネル化した影響で暗電流ノイ
ズ多いのかな?
bluemさん、こんにちは。
> カメラ側は電気信号、光は波長で、それを捉えて変換してる
ホントですよね。
撮像素子で捉えた状態はまだアナログ信号で、画像処理エンジンへ渡して
初めてデジタル信号になるってのも、なかなか理解し難い事でした (^^
撮像素子をのぞくとグリーンが美しいですよね~
ゴーストがグリーンになる原因でもあるのですけどw
カメラ関係の特許サイト、時々覗いています。
おお~ 未来はこんなのが実用化されるかもしれないのか~
とか思って興奮したりしていますwww
iMovieさん、こんにちは。
前記事のフォローでISOの基本的な所を記事にしましたw
K-7のノイズが軽減出来なかったのは読み出し速度の向上が裏目にでたのでしょうね。
動画対応と連写速度の向上の為にはしかたなかったのでしょう。
4ch読み出しは難しいらしいので、それも影響しているはずですね。
撮像素子に電荷が溜まるまでは K20Dと同等だと思いますね~
個人的にも暗電流ノイズは同等ではないかと推測しております。
同じ技術で高速に駆動させるためには電圧を上げなければなりません。
その上がった電圧分、暗電流ノイズが増えたんじゃなかろうか。
こんばんは(^^
毎度勉強になります。
ホント感心します。お詳しいですね~
今日も新体操の撮影でしたが、明るい体育館でしたので
ISO1250、F2.8で1/400が適正露出で確保できました。
ISO1250でもノイズはある程度乗りますが1600よりはNRしやすいと思います。
書き忘れたwww
ISO4500の写真、凄くきれいですね~。
丁寧に処理すればいいんだよ!っていう見本でしょうか。
楽器に貼ってあるミッフィーのステッカーがカワイイですね~
Jerryさん、こんばんは。
カテゴリへ How to, Reports, Tips を作ったので、こういう記事を無性に書きたくなっておりますw
デジイチを始めたばかりの人も多いようですので、色々知って欲しいってのもありましてw
しかし明るい体育館でそのパラメータですか~
やっぱ新体操は運動場でやるべきだ!w
ISO4500らしくないクリーンさですよね。
K20Dはまだまだ現役だよ! ってアピールですwww
あっちこっちのブログで K20Dは ISO800や1600までしか使いたくないと書いてあったのですよ。
JPEG撮って出しで評価するんじゃない! ですw
delphianさん、こんばんは。
ISO感度の話、いつもそう思うのですが、本当大変面白かったです。
前回記事の「-補正後の、現像かレタッチで+1.0EV明るく」は何となく感覚でそう感じていましたが、体系的に理解できると納得度が増します。
今回の記事の音響機器の例、と~っても分かりやすかったです。
How to、Reports、Tipsのカテゴリ作成ありがとうございます!
カメラで迷った時に利用させていただきます^^v
Pic-7さん、こんばんは。
楽しくお読み頂けたようで嬉しいです (^^
マイナス補正して撮影して現像で増感するのは最高感度じゃないと意味がないのに
何故かこの様なアドバイスを時々見かけます。
もはや都市伝説w 実験してからアドバイスすればいいのに。
How to、Reports、Tipsのカテゴリの記事を沢山書こうと思っております (^^