K-5 A50mmF2.8 Macro [ F5.6 1/125 ISO3200 ]
SILKYPIX DSP5 が発売になりましたので、製品版で改めてチェックしました。
商品名や機能名が長いものは以下の様に略します。
DSP : SILKYPIX Developer Studio Pro (Ver.4)
DSP5 : SILKYPIX Developer Studio Pro 5 (Ver.5)
ACR : Adobe Camera Raw (Lightroomは LRと略します)
CPD : CyberLink PhotoDirector 2011
NR : ノイズリダクションの略
※ACR = Lightroom3、CS5、Elements9 の現像エンジンで、性能は同じです。
DSPとLRを併用しておりますが、DSPのNR性能がイマイチのため、NR処理が必要な写真については
LR(ACR)で現像しておりました。
細部の解像感やジャギーの出方、ピクセル単位の処理についても DSPより ACRの方が上手く処理しているので、
現在の主力は LRで、シルキーの出すトーンが欲しい時に DSPを起動する運用になりました。
DSP5初期のβ版を試用したときに NR性能の向上にビックリしましたが、後期のβ版では NR2から NR3へ変更され、
更なる NR性能の向上がはかられました。
私は DSPユーザーですので優待価格である 11,000円で購入できます。
11K出して DSP5へアップグレードするかどうかを製品版を試用して決めたいと思います。
細部の画作りなども改善されたかは置いといて、まずは気になる NR性能をチェックしてみました。
※現像出力時にアンシャープマスクはかけてありません。
[ NRとシャープパラメータ ]
NRとシャープのコントロールへ [ フリンジ除去 ] が新設されただけですね。
他のコントロールは一緒ですが、NRのアルゴリズムに相当手を入れたようです。
DSP5から ISO毎に自動で既定値が適用される様になりました。
ただしカメラ毎に調整された値ではなく、ISO1600は 37で ISO3200は 47というようにセットされます。
istDS、K10D、K20D、K-5で撮影した ISO1600の RAWファイルを読み込ませたところ、全く同一の数値でした。
ここを見ると違う値になりそうなものなのにw
http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/product/function/dd.html
こうなるとどのカメラをリファレンスにしたのか分かりませんので、最適なNRを行うには追い込みが必要でしょうね。
同じ機種のISO1600でも、シーンが違えばNRパラメータは変わってきますしw
NRのパラメータは自動でセットされますが、シャープパラメータは ISO100の時と同じです。
これだと NRで崩れた輪郭などが強調され、汚い輪郭になってしまいます。
試しに DSP5でNR処理したところ、平坦な部分はバッチリになったのに輪郭を見てガッカリしましたので (^^
シャープパラメータをチェックしたら理由が分かりましたので、図の通りに数値を落としました。
NR系のパラメータが決定したら、シャープ系パラメータをチェックするのを忘れないで下さい (^^
NRとシャープはお互いが影響しあうので、一ヶ所にまとめられているのが望ましいです。
タブで別れているのが以前から不満でした。
セカンドモニターをお持ちの方は本体から切り離し、セカンドモニターへNRとシャープを並べて配置すると良いです。
同じ RAWファイルを各現像ソフトで NRを調整した等倍切り抜きの画像を並べてみます。
K-5のISO3200で撮影したものをサンプルとしました。
NR処理は [ 解像度を優先] [ ノイズ除去優先 ] のトレードオフです。
今回はNRの性能をチェックしますので、輝度ノイズやカラーノイズの除去を優先し、
且つそこそこの解像度を維持する設定にしてみました。
NR性能の指標になる程度には追い込みましたが、完璧!と思える程は追い込んでいません (^^
特にDSPはノイズ整列を使えばもっとクリーンに出来ますが、あえて使っておりません。
ACRとDSP5に大きく水をあけられたため、そこまでやる気力が無かったwww
[ 明部の切り出し ]
DSP5のNR性能は相当向上していますね。
DSPと比べると輝度ノイズの処理にかなりの違いが出ています。
でもまだ輪郭がちょっとがたついていますね。
前述のシャープパラメータをもっと落とせばよかったかも。
ディティール強調を 30ぐらいまで落とせば LR程度になったかな?
LRもシャープパラメータをデフォルトから落としましたので甘く感じますが、
明部の処理結果については ACRの方が好みかな~
CDPが頑張っている様に見えますが、強烈にNRをかけています。
そのため輪郭がぼやけ、ちょっと締まらない画になっております。
K-5とついているのはカメラ内現像です。
NR無し~強まで設定できますので、JPEG撮影の方の参考になるでしょう。
[ 中間調の切り出し ]
こちらは DSP5の方が好みでございます。
ACRの方にムラを感じます。
意外にも CPDも頑張ってますね。
[ 暗部の切り出し ]
こちらは ACRが良い感じかな。
カラーノイズが良く抑えられ、ノイズを除去した後が滑らかw
DSP5の NR性能は DSPに比べて大幅に向上し、ACRと並ぶ程強力になりましたね。
これはグッジョブ!です (^^
カメラのNR性能についてですが、輝度ノイズをツルツルにするほどのNRはしていません。
ペンタの考えはディテールを残す方向の様です。
そのためか、文字の輪郭にモスキートノイズ状にモワモワとしたものが出ておりますw
個人的には嫌なノイズでございます。
JPEG撮影だとこのモワモワした現象とも付き合わないといけないのでございます。
念のために書いておきますが、☆☆☆という高画質で保存してありますw
高感度撮影するのなら ナチュラル に設定した方が良いですね。
RAW撮影の方には全く関係無い事ですけどw
紹介した切り出しのフル解像度画像を用意しました。
K20Dも同じテストをしましたので、参考にされたい方はダウンロードして下さい。
K-5は ISO3200で、K20Dは ISO1600でテストしてあります。
K-5 : http://mj.plala.jp/chun/blog/20110713-NR-K5.zip
K20D: http://mj.plala.jp/chun/blog/20110713-NR-K20D.zip
ファイルサイズにばらつきは有りますが、普段使わないぐらいの高画質で低圧縮の画像です。
同一のPEFから現像したのに 3.5MBや7.7MBの画になっていますが、画質に影響するほどの差はありません。
この比較は大変参考になります。
が、悩みも増えましたw
でもまだ自分の中ではLRが少し優勢です。
DSP5のダイナミックデフォルトは
テイストのユーザーデフォルトのように
自分では決められないのですね^^;
まぁ、スタート位置がある程度指標になるのと、
カメラごとの真の高感度性能を比較するのに
役立つかも知れませんw
NRの性能向上はありがたいですが、
操作に関してDSPよりLRの方が自分には楽ですね
自分でも早く体験版体験しなきゃw
ask-evoさん、こんにちは。
むははっ 悩みが増えましたか (^^
NRの性能向上は素晴らしかったです。
まだ数枚の高感度画像でしか評価していませんが、ACRが100点とすると
DSP5は 90-95点ぐらいという感じです。
ここまで向上させてくるとは思いませんでしたのでビックリしましたね~
ダイナミックデフォルトのNR設定値はそこそこ良かったですよ。
大外しはありませんでした。
私はLRでもISO毎にNRパラメータをデフォルト設定しているので、この仕様は嬉しいです。
私もNRの追い込みはLRが楽ですね~
LRとDSP5で悩み中の私にとって非常に参考になる記事です。
ありがとうございます。
ところで、初歩的な質問ですが、
DSP5の「ノイズリダクション」と「ノイズキャンセラ」の違いは何なのでしょう?
しばらく試用してみて感覚的に「ノイズ整列」と「ノイズリダクション」を
よく使うようになっておりました。
Jerryさん、こんにちは。
私もDSP5へアップグレードしようかどうか迷っているため、いろいろテストしております。
次回とその次はかなり役に立つ記事だと思いますよ (^^
ノイズリダクションはコントロールが沢山あって分かりにくいですよね。
偽色抑制からノイズ除去まではもろにノイズに作用するパラメータです。
ノイズキャンセラはシャープネスとも関係していて、どのレベルから
シャープネスを有効にするかというパラメータになります。
ノイズレベルの数値を上げていくとシャープ処理するしきい値が上がっていきますので、
上げすぎるとシャープ処理が掛からなくなり、ディテールが甘くなります。
ノイズ除去した結果とのバランスで決定するパラメータですので、気合いを入れて
追い込むときに触る感じですw
こんばんは(^^
これは参考になりますです!
DSP5買っちゃいましたが(笑)
私的にはDSP5は、操作系も結果も満足出来てますので
SILKYをご紹介頂いて、とても満足でした♪
SILKYで満足出来てるのは、その後のPS6があるからなのですが
NR自体も、私的用途ではとても良いと感じてます♪
そもそも撮影時点で、40DはISO800まで、5DⅡではISO1600と
許容出来る範囲以上には上げない事もあります。
期限を気にせず現像出来るので、購入して、何か気持ちが落ち着きました(^^
これで仕事も落ち着き、時間がとれるようになったら、LRのお試しを
しようと思います。
乗換版が1万なので、これは正直手を出しちゃいそうですが(笑)
CS5(6)を導入する時に、LRも一緒でも良いかと思ってました(^^
bluemさん、こんばんは。
むははっ 買っちゃった後に記事にしてしまいましたね (^^
LRとDSP5は併用すると吉です。
私はDSPからLRに完全移行は無理だと判断しましたw
DSP5を入手したばかりですが、あと1万円出して是非LRもお使い下さい。
Rep #2 : 解像感関係1
Rep #3 : 解像感関係2
Rep #4 : トーン
Rep #5 : まとめの予定
こんな感じの記事構成を予定しております。
こんばんは。
DSP5体験版使ってました。
確かにノイズ処理良い感じでしたが、
LRに比べて自然さが無くなる印象だったので、自分はLR選びました。
あとLRは色ごとの輝度調整できるのがよかた・・
(DSP5も実はできる?)
直感的に作業できるのはDSP5なのは間違いないと思います。
動作が重かったですが・・
まぐかっぷさん、こんばんは。
DSP5でノイズ処理すると塊上になるので自然さが無くなる感じでしょうか。
これ、シャープがISO100の時と同じだけ効いているからだと思います。
NR処理したらシャープ関連の数値を半分以下まで落とさないとちょっとキツイですw
NRをかけた画の全体の品質はLRが良さそうです。
DSPのトーン関係は直感的に操作できますが、NRだけは直感的じゃないですね~
コントロールが多いのは細かく調整出来るって事なのですが、意味と動きを理解しないと
ちぐはぐの設定になってしまいますw
> あとLRは色ごとの輝度調整できるのがよかた・・
HSLの事ですよね。
DSP, DSP5 ともできます。
ファインカラーコントローラがそれですね。
カラーサークルになっており、「色相・彩度・明度」が調整出来るので、
HSLと全く同じ機能でございます (^^
今日のブログ記事だけで、雑誌になっちゃいそうな
すごい情報量ですね^^
チンプンカンプンなりに、すごく勉強になります!
ありがとうございます♪
あんまり変なコメント書くと墓穴を掘りそうですので(笑)
とりあえず明日ももう一度読んで、じっくり復習させてもらいます^^;
pattanさん、こんばんは。
しばらくは SILKYPIX DSP5 と LR(ACR)との比較記事になります。
どうしてもテクニカルな内容になりますので、チンプンカンプンでOKです (^^
今後この様な記事は後で見返しやすいように、 Reports や How to の様な
カテゴリにまとめようと思っております。
なので、現像処理に習熟した頃にでもお読み頂ければと思います (^^