ハイライト補正

20130118-1.jpg
ハイライト補正はかな~り有用なのであります。
最低感度が一段上がるので使って無い方も多いと思いますが、ノイズと引き替えに
ハイライト部に一段の余裕が出来ます。
その結果、白飛びに強いデータが得られるのであります。
扉画の様な白鷺系(ダイサギ)を現像処理すると、その威力がよく分かります。
※P社はハイライト補正ですが、C社だと「高輝度側・階調優先」という機能の事です。

[ 補正ブラシを使用 ]
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全体の露出を決めた後、階調が飛んでいる部分を補正ブラシでなぞり、
露出をマイナス側に調整しています。
※これはコサギです。

[ 補正前と補正後 ]
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いかがざんしょ。
飛んだと思われたハイライト部分から羽毛のディテールが復活しております。
モニターの表示は各色 8bitですが、RAWデータは各色 12~14bitのデータが格納されています。
モニターでは表示しきれないデータ部分から階調を引っ張ってきたんですね。
※厳密には違いますが、説明を簡単にするためにこの様な表現をしております。
ハイライト補正をONにしなくてもある程度は引っ張ってこれますが、ONにすると限界が更に
広がるのであります。
※このハイライトの上の領域をヘッドルームといいます。
野鳥撮影だと高速SSを確保するためにISOは上がり気味になります。
どうせ上がってしまうISOならハイライト補正をONにして他のメリットを得た方が得ですし、
最近の機種は高感度にも強いので、最低感度がISO100から200になる程度など微々たる劣化です。
※K-5系は拡張感度をONにすると ISO80が使える様になるので、最低感度が ISO160になる。
フル解像度の画はこちら

[ 処理後の画 ]
20130118-4.jpg
ハイライト補正の原理を書いておきます。
カメラの表示がISO200の場合、内部的にはISO100の-1EV補正した状態で露光しています。
この段階でハイライト部に1EV余裕が出来ています。
露光が終わり RAWデータ化する際にハイライト部以外を1EV持ち上げて設定露出へ戻します。
結果、ギリギリ飛ぶはずのハイライトへ階調を残すことが出来る様になります。
※ハイライト部に余裕があればハイライト部も持ち上げる。
補正OFFでもヘッドルームは存在しますが、ONにしてもそのヘッドルーム分は生きているので、
見かけ上 1EV + α分のヘッドルームが得られる事になるんですな~(RAWのみ)
JPEG撮って出しでもハイライト補正の効果は得られますが、ヘッドルームなど存在しませんので、
レタッチしても飛んだ領域からデータは得られません。
ちなみにハイライト補正はRAWデータへ反映されますが、シャドー補正は RAWデータへ
反映されません。
シャドー補正はソフト処理なので、RAW撮りの人は ONにしてはダメです。
CPUを無駄に使うので、カードへの保存時間も延びるし。

[ 無謀な比較 ]
20130118-5.jpg
K-5、K-5Ⅱ、K-5Ⅱs、K-30、K-01 へ使われているソニー製 16Mセンサーは APS-Cセンサーの
傑作だと思います。
画素ピッチが狭いので高感度特性こそフルサイズには及びませんが、ダイナミックレンジは
フルサイズよりも広い様です。
これは現像していても感じます。
ハイライト部の粘りもありますが、シャドー側の粘りが素晴らしい。
こちらで DxOが計測した機種毎のセンサーレーティングが見られます。
http://www.dxomark.com/index.php/Cameras/Camera-Sensor-Ratings
開くと DxOのCMが表示されますが、しばらく放っておいて下さい。
ペンタはチューニングが上手で、1つのセンサーを何代も使い、画を熟成させていきます。
初代デジイチである istDへ採用されたセンサーも istDS ~ K100Dまで採用し、世代を重ねる毎に
高感度特性を良くして行きました。(K-7は例外)
センサーは同じでも周辺回路や A/D変換、画像エンジンをどんどん良くして行くんですな~
こういうやり方、好きです。
K-5へ搭載されたセンサーは他社も採用していますが、比べるとペンタのチューニングは流石だと
思いましたよ。

10 thoughts on “ハイライト補正

  1. このセンサーが良すぎるので次が問題ですな。
    まぁ、ペンタのことだからちゃんとやってきて
    くれるとは思っていますが。

  2. zaizaiさん、こんばんは。
    たぶん次は 24Mセンサーでしょうね。
    あれ、あまり好きじゃないんですよねw
    同じく、ペンタのチューニングに期待でございます (^^

  3. おはようございます(^^
    ハイライト補正は、常にONにしてます♪
    昨年まではシーンによって都度、ONOFFしてたのですが
    もう面倒になって、ONのままでした(^^
    ちなみにC社はISO200スタートになります。
    このSONY製センサーと、ペンタの味付けは本当に良いですよね(^^
    文化勲章あげても良いかもw
    どんどん熟成させて行くやり方も、好感が持てますね♪
    あの24Mセンサーも搭載する機種も出るでしょうが、現況の
    センサーのラインも残して欲しいですよね(^^
    私もようやく16bit TIFFで処理出来る環境になりましたが、
    諧調の違いに、ウホホイ状態でした\(^o^)/
    今まで苦労してた、空のトーンなどが豊かに表現されるのは
    素晴らしい!!
    過去写真を現像し直したり、感激に浸っております(^^

  4. ハイライト補正って、
    ニコンでは、”アクティブDライティング”機能にあたるものでしょうか?
    今回は、またまた勉強になりました。
    比較写真も、一目瞭然!LRの使い方もこうでなくっちゃね。
    フル画像も拝見しました。綺麗!
    しっかし、兄貴さんはやはりすごいです。
    超プロ級の知識、理解、技術をお持ちで、
    理解するのに追いつかないよ~^^;

  5. bluemさん、おはようございます。
    やっぱり常にONですか。 私もです (^^
    OFFにするのは徹底的にノイズレスに拘った時で、BM撮影ぐらいでしょうかね。
    忘れてONのまま撮っちゃったりしますがw
    ISO400やら800で撮る事が多いbluemさんだとONで運用は理にかなっておりますね。
    この 16Mセンサーはホントいいですね。
    ノイズは少ないしダイナミックレンジは広いしで、傑作センサーだと思います。
    あと 3年ぐらいこのセンサーを使ってくれないかな~
    16bitでレタッチ出来るとトーンジャンプが少なくていいですよね。
    お書きの通り空の処理w 8bitだとトーンジャンプしちゃうんだよな~w
    CS2 \(^O^)/ですね (^^

  6. yastaroさん、おはようございます。
    ニコンでいうと「アクティブDライティング」になると思います。
    でも暗部も調整してしまうのですよね。
    結果、撮って出しだとやや眠い画になりそうですが、RAW撮りなら ONにして撮影し、
    そのメリットを得た方が良いとは思います。
    コントラストなんて現像でどうにでもなりますからね (^^
    これ、自分でやる方法もあるんですよ。
    常に -1EV補正した状態で撮影し、現像時に +1EVしてハイライトを調整する。
    原理はこれと変わりません (^^
    比較写真はメチャわかりやすいですよね。
    RAWだと階調が引き出せるんですよ。
    JPEGだとこうはいかないので、RAW撮り最大のメリットでございます (^^

  7. 7Dしか使っていなかった頃は使ってなかった機能ですが、
    K-5では常時ONで使用してます。
    白鷺の現像時にブラシで補正して羽毛の質感を出すのも一緒です♪
    デジカメの使い方&現像はこうしてやるンだ!ってのが少しずつ
    わかりかけてきているのがうれしいです(^^;

  8. こんばんは。
    「そっか~、だから拡張感度ONにしてるのに、いつもISO 160になるんだ・・・」
    と、一人だけレベルの低いコメント・・・
    とにかく勉強になりました。

  9. Jerryさん、こんばんは。
    高感度に強い機種だとこの様な機能が躊躇無く使えますね。
    常時ONで運用し、ハイライト耐性を上げた方がお得ですよね (^^
    補正ブラシが使える LRはやっぱり使える現像ソフトです。
    ピンポイントでこの様な処理ができるのはホント嬉しい。
    流石アドビって感じw

  10. あゆむのすけさん、こんばんは。
    むははw 原理が分かれば納得ですよね (^^
    こういうのも説明書に書くと良いと思うのですが、
    ぶ厚くなるんでしょうね。

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