LR4 再調教

20120613-1.jpg
LR4になって処理バージョンが 2012へ更新されたため、LRを調教し直しました。
調教とは LRで開いた時(取り込んだ時)の初期表示を自分好みのトーンにする事でございます。
LR4を初期設定のままお使いの方は
 処理:2012(現在)
 プロファイル:Adobe Standerd
で処理され、初期表示されているはずです。
K-5はその設定でも違和感は無いのですが、K20Dの場合 LR4に意地悪されているかのような青空で初期表示されます。
具体的には次の画をご覧下さい。

[ プロファイルの違い ]
20120613-2.jpg
左が Adobe Standerd で、右が Camera Standerdです。
沖縄の空はこんな色では無い! でございますw
Camera Standerd だと違和感はありませんので、これをそのまま採用しても良いと思います。
これをそのまま採用する場合は後述する [ 環境設定 ] と [ 登録 ] の手順を実行して終了です。
私はもう少し鮮やかな方が好きですし、青紫が現実の色とかけ離れすぎない程度に調整したいので、更に調整をして初期設定としています。
キャリブレーションツール無しに調教データを作る方法は 3つですかね。

[ 調教データの作成方法 #1 ]
20120613-A1.jpg
Adobeの DNG Profile Editor を使って調整データを作り、カメラキャリブレーションのプロファイルへ登録する方法。
入手先はこちらです。
http://labs.adobe.com/wiki/index.php/DNG_Profiles
とても細かく調整できますが、ちと面倒です。
今回はこれで調教しようと思っていたのですが、ちゃんとしたマクベスチャートと高演色性蛍光灯を入手してからにしますw

[ 調教データの作成方法 #2 ]
20120613-A2s.jpg
カメラキャリブレーションの色相と彩度を調整して調教データとする方法。
このコントロールの範囲で調整出来るのであればこちらで調整する方がよさそうです。
HSL等が 0で揃っているところからスタートできるのでね (^^
K20Dの場合ここでの調整ではちと不満でございました。
輝度情報も少し弄りたいので、今回もこちらはパス。

[ 調教データの作成方法 #3 ]
20120613-A3s.jpg
調整し易いのはやっぱりこれw
DNG Profile Editorを使った調整をするまでの繋ぎですが、今回もこれで調整しましたw
解説は 2度目になりますが、調教データの登録方法をもう一度解説しますね。

[ 環境設定 ]
20120613-A4s.jpg
環境設定を開き □カメラのシリアル番号に固有の初期設定を作成する へチェックを入れます。
これにチェックを入れる事でカメラ毎に初期値が登録出来る様になります。
つまり、K-5と K20Dでは別の調整値が登録出来ると言うこと。
機種毎のトーンの違いを吸収するにはこれしかありませんので、調教する方はチェックを入れて下さい。

[ WBと階調 ]
20120613-A5s.jpg
初期設定を作成するのですから、WBと階調はそのままにしておきます。
ここを触ってしまうと WB固定、露光量などの調整値まで登録されてしまいます。
ここで触っていいのは外観だけです (^^
私は鮮やかなトーンを初期設定としたいので、明瞭度 +2 自然な彩度 +9 彩度 +3 としました。
繰り返しますが、他の場所も初期設定として登録したい部分だけ触って下さい。
たとえばシャープな画が好きとの理由でシャープネスを 60とかで登録すると、高ISO画像にも適用されてしまい、ノイズが強調された初期表示となってしまいます。
シャープネス等の登録は後述する ISO毎の登録で解説します。

[ K20D追い込み中 ]
20120613-A6.jpg
実写した JPEGを別のビューワーにで表示させ、カメラ撮って出しのトーンと比較しながら調整しています。
撮って出しに拘らなくても良いのですが、K20Dの場合鮮やか設定の撮って出しが私のツボにハマっていますので、これを参考値としました。
青紫等も違和感無い程度に正常ですので (^^
ほぼ似たようなトーンになれば OKなので、適当な所で打ち切りましたw
※このスクショはまだ調整途中でして、この後グリーンの葉を追い込んでいます。
RAW+JPEGで撮影したデータで比較するのが最も良いと思いますが、FSIVや PDCU4を使って RAWファイル内の JPEGデータを抜き出しても良いと思います。
私はそれでやっています (^^

[ K-5追い込み中 ]
20120613-A7.jpg
これは調整のほぼ終盤あたり。
K-5の場合は微調整で済むんですよね。
LRは K20Dに意地悪だな~

[ 仮登録 ]
20120613-A8.jpg
良い感じになったらプリセットへ登録してとりあえずキープします。
HSLだけ弄るのであれば カラー補正 のみにチェックを入れて下さい。
連動して色表現(カラー)にもチェックが入りますが、それでOKです。
このプリセットを色々な絵に適用してみてトーン調整の仕上がり具合をチェックです。
違和感があったら更に微調整して、登録したプリセットを右クリックし、現在の設定で更新します。
納得いくまでこれの繰り返し (^^

[ 登録 ]
20120613-A9s.jpg
納得いく設定ができたらこのメニューを実行して初期設定として登録します。
登録すると、今後取り込んだデータは全て設定値が適用された状態で表示されます。
取込済みのデータへ適用するには仮登録したプリセットを適用するか、初期化ボタンを押して下さい。
しかし初期化ボタンを押すと露出を調整したものやトリミングしたものも全て初期化されてしまいます。
ですから、調整済みのデータへ適用するにはプリセットで対応する事になります。
これをカメラ毎に繰り返せばトーンの調教は終了でございます。
ノイズ除去やシャープネスも含めて調教したい方は続きをお読み下さい (^^

[ NR設定 ]
20120613-B1s.jpg
カメラのISO設定に固有の初期設定を作成する へチェックを入れると、機種 + ISO値 毎に初期設定が登録できます。
ISO400までは NR処理せずに、それ以降のISOはだんだんと NRパラメータを強める。
ISO400まではシャープネスを強めにし、それ以降はノイズが強調されるのでシャープネスを弱めていく。
こんな感じのデータが登録出来る様になります。

[ 用意する画像 ]
20120613-B2s.jpg
設定出来る ISO値全ての実写データを用意します。
※ ISO400以降のみ NR処理したい等であれば ISO400から撮影する。
1/2ステップに設定している方 1/2ステップ毎、1/3ステップに設定している方は 1/3ステップ毎のサンプルを用意します。
センサーの高感度特性により NRパラメータが違ってきますので、設定したい機種全てでこの様なデータを用意します。
サンプルは何でも構いませんが、ノイズが目立つカラーや影がグラデーション状に変化する部分があると調整し易いです。

[ ここを調整 ]
20120613-B3s.jpg
トーンの初期設定は済んでいますので、ISO毎のデータを取り込んだらトーン部分は適用された状態になります。
既に取り込んでしまった方は [ 登録 ] の手順にある初期化かプリセットを適用して下さい。

[ ISO毎に登録処理 ]
20120613-B4s.jpg
で、ISO毎に調整しては初期設定として登録する作業を繰り返します。
これがトーンと NR及びシャープの初期値になりますので、ノイズ軽減はやや弱めに調整しておく方が良いと思います。
同じ ISOでもシーン次第ではノイズが目立たなかったりしますのでね。

[ 調教終了 ]
20120613-C1.jpg
調教が済んだので K20Dで撮影した青空へ適用してみた。
スッキリした良い青ですw  こうでなくっちゃ (^^
ちなみに自分の好きな設定をプリセットへ登録し、都度適用しても良いという方はこんな面倒な事をする必要はありません。
ワタクシは取り込んだ時点( LRで表示された時点 )で好みの色になって欲しいので、この様な初期設定をしているのでございます (^^
実は別解もあって、取込ダイアログで設定し、一括適用して取り込む方法もありますが、機種毎に違う設定を適用することはできません。
でも 1機種のみお使いの方はこっちの方が楽かもしれませんね。
今回の方法はあくまでも自分好みの色を初期設定としたいという内容です。
商業写真やカタログ用の撮影をされる方は真似しないで下さい (^^
今回貼った画は説明用の画像です。
私のトーンの基準レンズは FA31ですので、FA31で再撮影して微調整をしました (^^
つかったのはこの 2種類です。
http://mj.plala.jp/dl/FA31-1.jpg
http://mj.plala.jp/dl/FA31-2.jpg

[ おまけ ]
今回使ったのは電子マクベスチャートでございます。
それを印刷したものを色見本としました。
必要であれば自由にDLしてお使い下さい。
http://mj.plala.jp/dl/RGB-MacbethChart.jpg
※色転びを軽減し、自分好みの画にするだけなので、適当なやつでもOKなのでございます (^^

16 thoughts on “LR4 再調教

  1. こんばんは
    記事を読んで、その作業の緻密さに目眩がしましたw
    マクベスチャート、プリンターとの色合わせはどうするんだろう?と最初は思いましたが、考えてみたら絶対的なカラーマネージメントじゃないのでいいんですね(^^ゞ
    大量の写真を定常的に処理するのであれば、このような事前の仕込みは大切なんでしょうね。
    脱帽です(__)

  2. とりあえずザッと読ませていただきました。
    じっくり読みながら、比較しながら実践しないと頭がこんがらがっちゃう~!!です。
    実をいうとやっと再修理からK-5が戻ってきたのですが、開梱後5分で不具合発生・・・・
    到着から20分で再度ペンタに帰っていきました。
    もう一月以上使っていません。
    さすがに不信感が芽生えてきました・・・
    と言っても、ワタクシ的に他社には乗り換える魅力がありませんからねぇ。

  3. shangさん、こんばんは。
    わははw 手慣れたもので、2機種の調整で 2時間ぐらいでした (^^
    お書きの通りカラーマネージメントではなく、自分好みの画を初期表示したいだけなので、こんな方法でもOKなのでございます。
    LRの初期状態でK20Dの画を取り込むと げ~~~ ってなるんですよ。
    空と青紫の花がw
    K-5だと初期状態でもまずまずなんですけどね。
    なのでワタクシにとって仕込みは必要なのでありますw

  4. pentaZ-5pさん、こんばんは。
    あちゃー 届いて即リターンとは・・・
    なんだか運が無いですね。
    私が A09を調整させた時と同じです。
    アマゾンから届いて試写し、15分で梱包してタムロンへ送りましたよ。
    新品交換よりも修理の方が良いので (^^
    次こそは! ですね。 ペンタしっかりしろ!
    調整は慣れると簡単なのですが、初めての方には分かりにくいかもしれません。
    あたしゃ何度もやっているので慣れちゃったw

  5. K20DではHSLによる調教だったのですが、
    K-5ではキャリブレーションいじってます。
    空と緑の色にはこだわりたかったので、
    それぞれのデータを元にそれぞれをチューニングして、
    反対側のデータで色の転びをチェックし、
    最終的に統合しました。
    いじり方が悪いのか、HSLでは両者のすり合わせができず、
    キャリブレーション調整で何とか落ち着きました。
    結果、当初よりK20Dの調教に近い色が出せました。
    ファインチューニングは日々必要だと思っており、
    今回掲載のデータや、マクベスチャートは活用させていただきます。
    あとはNRのファインチューニングも残っています^^;

  6. ask-evoさん、こんにちは。
    キャリブレーションで調整出来ればその方がいいですね。
    K-5は色転びが少ないのでキャリブレーションで十分対応できそう。
    やればよかったかなw
    2機種持っていると調教は必要と感じますよね。
    同じ場所でカメラを変えながら撮ったものが違う色だと萎えますw
    しかし K20D用の Adobe Standerdはなんなんだろw
    Camera Standerd をそのまま採用すればいいのに。
    NRチューニングも楽しいですよ。
    でもシーンで強弱が変わるので悩ましいでもあるんですよね。
    適当なところで決めないと終わらないですw
    あっ NR調整用に[用意する画像]のデータが必要ならお分けしますよ。
    734MBありますけどw
    ask-evoさんちの新記事、コメント欄閉まっててコメント不可ですw

  7. こんにちは
    Lr4だと、また傾向が違うのかな?
    これって、カメラプロファイルがない事が起因なのでしょうか?
    以前、アドビに、ペンタックス用のカメラプロファイルを提供して
    欲しいとサポートに伝えたところ次期バージョンから考慮したいと
    回答がありました。(次期バージョン=Lr4ですよね??)
    どうやらK-7あるいはK-5以降の機種では何らかの対策されている
    のかな??
    「Pentax Standard」って、ないですか??
    Lr4も触っていないので、どうにも曖昧ですけど ^^
    この調整の前に、PCの液晶モニタの色調整をしておかないと、
    ダメですよねぇ~

  8. iMovieさん、こんにちは。
    LR4のプロファイルですが、K20Dには Adobe Standerdと Camera Standerdが用意されています。
    LR3もそうじゃなかったかな。
    でも K-5用は Adobe Standerdしかありません。
    ※Camera Standerdはおそらく仕上げ設定ナチュラルを模倣していると思います。
    カメラプロファイルが無い事が起因ではなく、K20D用の Adobe Standerdがチューニングされていないって事だと思いますよ。
    K5はあまり違和感を感じないので。
    ※Adobe Standerdも各機種用が用意されています。
    撮って出しの参考画像を用意して、それに合わせる様にすればモニターの調整は必要無いでしょうね。
    K20DやK5の撮って出しと同じ様に見えるという事なので (^^
    追記: Camera Standerdが用意されているペンタの機種は
    K10D、K20D、K200D、K-7の 4機種だけでした。

  9. こんにちは(^^
    キヤノンだと配布されているデータでほぼ問題ないんでしょうけど、
    ISO固有のノイズ除去設定はやっておきます。
    これやってると新体操写真の現像が楽なんですよね(^^

  10. Jerryさん、こんにちは。
    シェアが大きい Cや Nはこういうときに得ですね~
    ま、オリやパナ、ソニーよりはサポートされているので良しとしますw
    そそ、ノイズ除去を設定してあるとホント楽です。
    読み込んだ時点で良い感じに見えるのでwww

  11. こんにちは(^^
    まさにこの作業をやってる最中ですが、時間がまとまって
    取れる時にしようと、とりあえず少しづつやったものを
    プリセットしておりました♪
    現像がぐんと楽になりますね(^^
    http://xritephoto.com/ph_product_overview.aspx?ID=1257
    以前からこれを欲しいと思ってたのですが、ご紹介のマクベスチャート
    を愛用したいと思います♪
    多分、買わずに済みそうですし(^^
    思えば2年前までは、こういう作業も考えもしませんでしたが
    これも、お陰様です(^^
    撮るだけじゃなく、こういうソフトの部分も楽しめてますし♪
    あとは「会社よ、休みをくれぇ~www」
    でした(ToT)

  12. bluemさん、こんにちは。
    折角の機能ですから、調教はしたくなりますよね (^^
    お~ ColorChecker パスポート、これ購入予定ですw
    で、[ 調教データの作成方法 #1 ] をやるつもりなんですよ。
    そしたら色転びともおさらばできるかな~w
    RAW現像はこういう細かな設定が出来るのでいいですね。
    まさに思い通りですw
    bluemさんの会社よ、休みを与えて下さい!www

  13. 兄貴さんの細かくて、丁寧な調教。すごいなあって思います。
    言ってる事もやってる事もよーくわかるんですけど
    自分でやると出来ないのが不思議w
    (ただのアホかもww)
    こうやって自分の好きな色を出せるっていいですよね。
    私もいつかここに到達できればいいんだけどな。

  14. pattanさん、こんばんは。
    細かいですかねw
    満足出来る様に躾けるのが好きなんですよ (^^
    LRに慣れてくればpattanさんもやると思うよ~
    こういうことが出来るって事だけでも覚えているといいと思う。
    やろうと思った時にこのページを検索すればいいのでね (^^

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