鳥の仕上げ #2

20120212-1.jpg
前回に続き、鳥の仕上げです。
今回は最近ブログ友達で流行っている Adjustを使った例を紹介してみようと思います。
Detailほど細かい調整はできませんが、これでも十分解像処理できます。
扉は原画から 2400×1600へ等倍切り出ししたものをブログサイズへリサイズした画です。
前ピンで外してしまい、イソシギがピンボケしてしまいましたので、これを見られる画に
してみます。
またマスクを使わず、クイックマスクで簡単に処理してみます。

[ ビフォーアフター ]

いかがでしょう。
外れたピントを目に持ってきましたよw
トーンや明度が変わっているのはこの後のレタッチも含めてビフォーアフターで切り出したから。
Adjustでディテールアップの処理をした直後だとこの様にはなりませんのでご安心を (^^
2400pxの大きな画はこちらです。
2400×1600 ビフォー
2400×1600 アフター

[ クイックマスク設定中 ]
20120212-3.jpg
他の画像ですが、これで説明します (^^
クイックマスクの画面にし、縁をボンヤリさせたブラシでザックリと塗っていきます。
塗るコツですが、背景との境界まできっちり塗らない方が良いです。
背景との境界がクッキリするとシャープネス臭さが出てしまうので、境界は曖昧な方がよろしい。
少々ピンボケで背景との境界がボケていても、羽毛や目が解像すれば違和感は感じません。
例ではキッチリ塗っているように見えますが、縁が曖昧なブラシを使っているので、境界あたりは
殆ど効果が無い状態になります。
クイックマスクですから、本来は塗った所がマスクされるのですが、私は塗ったら選択領域に
なって欲しいので、クイックマスクの動きを逆にしております。
クイックマスクのアイコンをダブルクリックするとオプションが現れますので、そこで設定して
下さい。
※ Elements 9の場合は選択ブラシツールを使えば同様の事ができます。
  他のバージョンは知りません。
この様にざっくりと塗ったらクイックマスクモードから抜けます。

[ Adjust 5 で調整中 ]
20120212-4.png
クイックマスクでザックリと選択した範囲を Ctrl + J で別レイヤーにコピーし、そのレイヤーを
選択して Adjust 5 を起動します。
まずは Rest All を押してプラグインの効果を 0にしましょう。
次に Detailsにある 「 Detail Boost 」 と 「 Sharpen 」 で調整するだけです。
他のパラメータは試していませんが、この 2つで十分ディテールアップ出来ました。
パラメータを変えた効果は必ず 1:1 の等倍表示にしてチェックして下さい。
ここではガビガビになるほど調整せず、軽いディテールアップで終了するのがコツです。
ディテールで調整すると線が太いシャープネスをかけたようになりますので、やり過ぎ注意ですw
OKを押して終了したら前記事で書いたハイパスフィルターを使ったシャープネス処理をします。
これで解像感の調整を行うのが良い感じに仕上がります。

[ 明度の調整 ]
20120212-5.jpg
クイックマスクで抜いたヒヨだけのレイヤーへ効果を適用している画面です。
そのレイヤーでトーンや明度を微調整して完成。
場合によっては背景のレイヤーを選択して、NRをかけたり明度を落とす処理を
しても良いと思います。扉の画はそうしました (^^

[ 完成 ]
20120212-6.jpg
完成でございます。
手順になれると数分の作業で仕上げが完了します。
シャープネス処理はレタッチの最終段階で行うのが基本です。
ですが被写体が適切な明度になるよう現像時に調整してあるし微調整程度なので、この手順
でもOKです。
レタッチ時に明度やトーンを大幅に調整する場合、解像処理は最後に行うと良いでしょう。
Adjustはトーンの調整や暗部起こし、HDR風にも出来るしディテールだけアップさせる事も可能。
フォトショ(エレメンツ)をお使いの方へ強くお勧め出来るプラグインでございます♪

さて、レタッチすることでこの様に解像処理をすることが可能なのですが、最も大切なのはピントや
ブレ、露出などは撮影時に追い込んでおくこと。
元がよいとレタッチでもの凄い解像度に仕上げる事が出来ますのでね。
当然ながら機材がよいと更にパワーアップします (^^

[ おまけ ]
20120212-7.jpg
甘い画をシャープにする方法各種の比較です。
左上の画を 3種の方法でシャープにしてみました。
羽毛だけに注目すると Lrのシャープ適用量を多くして解像感をアップする方法が好ましく感じます。
ですが、背景にノイズが乗ってきますし、背景との境もクッキリしすぎて私には NGでした。
ISO400とかになるとノイズまみれになると思います。
手間を惜しまないのであれば Lrでノーマル現像とシャープ適用量を上げたもの2ファイルを作成し、
フォトショで必要な部分だけ合成するという手があります。
これに今回の手順を組み合わせると最強かもしれません。
後日試してみて、結果が良ければレポートします。
アンシャープマスクは確かにクッキリしますが、線が太くてベタっとし、繊細さを感じませんね。
パラメータが大きくて、わざとゴツゴツさせたかのように思いましたか?
でもこの辺りがベストだろうと調整したものです。
(ピントが来ていたらパラメータは小さくできる)
アンシャープマスクでシャープネスを調整するとこうなるので、アンシャープマスクは使わなく
なりました。

[追記]
20120212-8.jpg
我慢出来なかったのでやってみたw
Lrでシャープ適用量25(デフォ)とシャープ適用量100の 2つを作成して合成し、今回の
手順のディテール処理を軽くかけたものを作ってみました。
予想通りこの方法が最も素晴らしい結果でした (^^
等倍でこれですから、ちょいと縮小してあげると緻密な精細感が得られると思います。
この画をDLし、1024pxへリサイズしてみて下さい。
被写体の描写はもちろんですが、背景との境の自然さ、背景のノイズなどこれ以上の結果は
得られないかもしれません。
これをジャスピンの写真に適用したらどうなるんでしょうね。
ちなみにもう少し繊細に解像させる方法もあります。
その方法に今回の合成ワザを組み合わせるとどうなるのか非常に興味があります。
これも紹介したいのですが、処理が複雑で説明が難しいw
簡単に言うと強めの解像処理をし、立ったエッジに対してソフト系で処理する方法。
線の細い上品な解像処理になりますが、作業時間も倍以上かかりますw
なので、長文を書く根性が出来たら紹介してみようと思います。
で、読む方も理解が大変だと思います (^^

6 thoughts on “鳥の仕上げ #2

  1. おはよう御座います(^^
    これも参考になります。
    TopazAdjustとハイパスとのコンビネーションは、
    正直まだ試してなかったので、今後はそうします(^^
    何度かやると、ものの数分で出来る作業なのが嬉しいです♪
    そして、羽毛の解像もそうですが、背景の滑らかさですね!
    私はノイズを残したりしてましたが、綺麗で滑らかな背景が
    美しさを引き立たせますね。
    全体から浮いてしまってもダメなので、ケースバイケースの
    さじ加減の重用さを、経験を積んで憶えていきたいです(^^
    でも肝要なのは、やっぱ撮影時にキッチリ撮る!ですよねw
    レタッチを憶える、つまりは写真の完成形を睨んだ撮影をする。
    機材=撮影技術=ソフト&ハード環境=レタッチ技術
    ≒素晴らしく楽しい♪
    ですね(^^

  2. bluemさん、おはようございます。
    この処理は効きますよ~ (^^
    しかも簡単手軽で面倒じゃないwww
    背景のノイズはある程度取った方が良いですね。
    ノイズが良い味を出す場合もありますが、殆どの場合は雰囲気を壊してしまいます。
    選択してコピーした下のレイヤーにかけてしまえば良いので面倒でも無いですし。
    撮影時にバッチリ撮るのが最良ですが、全コマ完璧に撮るのは無理なので
    こういう処理はやれた方が良いですね。
    レタッチ技術が向上すると機材の弱点が補えますな~ (^^

  3. こんにちは~
    こちらも、じっくり読んでました。
    TopazAdjustとハイパスの両方を使うのかぁ~
    とても参考になります。
    TopazAdjustの設定、DetailBoost、Sharpen この2つだけなのか
    どうも弄りすぎてしまうようなので、この設定だけで試してみます。
    この行程であれば、慣れると、数分で処理ができますね。 ^^
    ただ、書いてあるように、背景のノイズを先に処理した
    ほうが良さそうだなぁ~
    >最も大切なのはピントやブレ、露出などは撮影時に追い込んで
    おくこと。
    これ、一番大事な事ですよね。
    >機材が良いとパワーアップ
    ほんと、そう思います。

  4. iMovieさん、こんにちは。
    そそ、両方使うのでございます (^^
    Adjustでディテールアップするのはハイパスシャープネスがかかりやすくするため
    って感じですかね。
    Adjustだけで調整してしまうと線が太い感じになるのでイマイチなんですよ。
    ハイパスだけでやると今度はピクセルを大きくしないと効果が少ないし。
    なので合わせ技が良いと思って今はこの方法でやっております。
    また変わるかもしれませんがwww
    それと、パラメータは最小限のコントロールで調整する方が良いですね。
    なんでもw
    手順をシンプルにすると分かり易いし、毎回やる気になるのでwww

  5. 遅ればせながらこんにちは。
    Adjustの設定、ディティールの「Boost」よりも「Strength」の方を
    優先で使っておりました。
    まぁ、その辺とシャープで十分いけるって事なんですね。
    家内が職場(保育園)の子ども達と写った集合写真を「きれいにして」と
    いうもので、Adjustとハイパスフィルターで調整してみました。
    元画像と比べると「おっ!」というくらいの違いが出来ましたよ。
    鳥といえば、今朝鳥見にいってきまして、先日の雑談所で見せていただいた海外のドアップ鷺のイメージでアップのダイサギを撮影して来ました。
    今回のHowto記事を参考に今夜レタッチする予定です。

  6. Jerryさん、こんにちは。
    Strengthもいいですね。
    どっちがよりいいのかは分かりませんw
    なんせ普段は Detailをつかっているもので (^^
    ま、これとハイパスを組み合わせると良いって事でございます。
    おお~ 早速お役に立ちましたか~
    鳥にやるとそれこそ おおおお~~~ となりますwww
    今晩公開の鳥が楽しみになりました♪

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