B/W #1

20120124-1.jpg
本日よりしばらくの間 B/Wの記事を書いてみます。
B/Wは思ったよりも奥が深く、たいした事は書けませんが、少しだけ役に立ちそうな事を書いてみようかと (^^
B/Wはこの世にはあり得ないトーンの世界なので、格好良く感じたり想像力をかき立てられたりするのでしょうね。
私にとって B/Wフィルムは日常的に使用するフィルムだったので、懐かしくもあります。
B/Wは色彩が無く黒・白・グレーで表す表現なので、作品作りとなると難しく感じます。
B/W的表現は軟調な表現から硬調な表現など様々ですが、カラー写真から彩度を奪って色情報を捨てただけだとそれらしくならないんですよね。
なぜそう感じるのかを軽く書いてみます。

[ RGB別グラデーション ]
20120124-2.jpg
この様なグラデーションを用意して様々な方法で B/W化してみました。
各色 8bitで 255~0 のデータです。
この RGBがどのようなトーンに変化するかをチェックしたのが次の表です。
※フォトショユーザーの方は Lightroom の内容をそのまま Adobe Camera Rawへ置き換えて読んで下さい。

[ B/W化 ]
20120124-3.jpg
フォトショの [色相・彩度] にある彩度を 0%のしたものは RGBとも同じグラデーションになってしまいました。
これだと快晴の空をバックにした真っ赤なハイビスカスを撮るとつまらない画になりそうな気がします。
葉は緑だしw
同じ理由で色調補正にある白黒も Rと Gが同じトーンになってしまうので、シーンによっては力不足かな。
B/W化するにはこれらの方法だとダメだと思います。(根拠無しの勘です)
その根拠は他の方法だと RGBが描き分けられているから。
プラグインや現像ソフトでの B/W化は B/Wフィルムの各色に対する感光特性などが考慮されたグラデーションになっているのでしょうかね。
RGBが描き分けられているのは二種類に分かれますね。
[A]
フォトショのモードでグレースケールへ変換 & Silver Efex Pro ( SEP ) のニュートラル(規定値)
[B]
Lightroom の B&W & SILKYPIXのモノクロテイスト
Rと Bの濃さが逆になっています。
これはどちらが好ましいのでしょうね。
グレースケール変換と SEPでも違いがあります。
グレースケール変換はグラデーションがリニアですが、SEPはコントラストが付くようなグラデーションになっているようです。
また、グレースケールは Gの変化が少ないですね。
ひょっとして [モード] – [グレースケール] と [色調補正] – [白黒] は 写真用ではなく、イラスト用なのかな?
カラー情報ををグレースケールへマッピングするアルゴリズムは奥が深そうです。

[ Lightroomの B&W ]
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Lightroomの B&Wを押すと色毎にこの様なパラメータ設定がされます。
これを全て 0にすると Rと Bが全く同じ濃さのグラデーションになります。
で、Gが 233-255の範囲しかない殆ど白のグラデーション。
この様に色毎に適切な調整をして、先に示したようなグラデーションを実現しているのですね。
SILKYPIXや SEPも内部ではこの様な処理を行っているはずです。
つまり、単なるグレースケール化や彩度 0へする事では B/W写真らしくならないって事なんでしょうね。
これは経験からもそう感じています。
この Lightroomの B&W調整ですが、面白い事が分かりました。
というか驚いたw
Lightroom(ACR)の B&Wはインテリジェントでございましたw
その件は明日に記事にて (^^
B/Wに対する考え方など参考になりそうなので、コダックのページを貼っておきます。
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/consumer/TakingGreatPictures/TakingPic/whatWorks.shtml

[ 追記 ]
今回 B/Wの記事を書くにあたって、25年ほど前の経験が役立っております。
数年間ですが商業写真館に勤めていた事があり、毎日白黒フィルムの現像と印画紙への焼き付けをしておりました。
カラー写真も当然ありましたが、証明写真・婚礼・百日祝いなど、カラー写真と同時に白黒写真も撮っていたのです。
その現像と焼き付けが私の仕事でございました。8×10というでかいフィルムの現像もやっていたんですよ (^^
勤めて3ヶ月後には証明写真を任され、1年後には記念写真の一部の撮影もさせていただきました。
百日記念などのちびっ子系は撮らせてくれましたが、流石に婚礼は撮らせてくれませんでした。
撮ってみろと言われてもヒザが震えて頭真っ白状態になり撮れなかったと思いますが (^^
また、私に経験を積ませようと B/Wフィルムは使い放題で、仕事の空き時間は自由に現像もさせてくれました。
個人的な趣味の写真なども沢山現像しました。 ただで (^^
フィルムの種類・現像液・液温・現像時間・印画紙の種類と号数・露光・覆い焼きや焼き込み
これらの知識と経験は全てその時に得たものです。
失敗談も沢山ありますが、そういうのもいつか記事にしてみたいと思います (^^

18 thoughts on “B/W #1

  1. こんばんは^^
    delphianさんのこの探求心、ただただ脱帽でございます(__)
    こんな検証、することすら思いつきませんでしたよ。
    なかなかに興味深く、ためになる記事でした(^。^)
    どこで読んだのか失念しましたが、B&Wは色情報がないが故に
    被写体勝負の傾向が強くなり、ごまかしが効かなくなるという
    ものです。
    扉の画なんてまさにそうだと感じました。
    多分、普通にカラーだと???となるような画なのかなぁと。
    色を抜くから、見る人それぞれの物語が出てくるんじゃ
    ないでしょうか。
    B&W連載、楽しみにしています(^。^)

  2. おはようございます。
    B/Wの記事、興味深く読ませて頂きました。
    とても参考になる記事です。さっそくPDFにしました。
    何回もみて、知識を深めたいと思います。
    私の場合ですが、
    これモノクロが似合いそうって思った写真は、当初、SILKYPIXの
    モノクロテイストを使ってモノクロにして、効果を確認していま
    した。
    今はLrのB&Wでそうしています。
    難しく考えないで、とにかくやって見るというスタイルに徹して
    います。 ^^
    繰り返していると、気がつく事もあり、体験的にモノクロに
    似合いそうな被写体がわかるようになってきました。
    [ RGB別グラデーション ]を[ B/W化 ]まさしく、これなんですが、実際の写真撮影に置き換えると、
    難しくなってしまうので、とにかく楽しく撮って、B/W化しま
    しょうよ ^^ って、思います。
    [ Lightroomの B&W ] これ、先人たちのプリセットを見ると
    B/Wの場合、ここパラメータを弄って、表現を変えているもの
    がたくさんありますね。
    インテリジェント機能ってなんだろう?
    自動処理のことかな??
    明日の記事が楽しみです。

  3. おはよう御座います(^^
    デジタルになっても手作業で憶えた事、作品に仕上げる
    手段というのは、絶対に有効だと思います♪
    とある写真家さんが言ってたのですが、デジタル黎明期の頃
    作品化するのに、200万画素とかの写真データを、メッチャ
    時間を掛けてレタッチして、大判プリントに耐えるまで
    持っていってた苦労話しをしてました。
    その時の苦労や培ったものが、今に活かされてるって事も♪
    今の自分を見ると、現像ソフトやレタッチソフトで
    簡単にこれまでと違った写真が出来上がり、それに
    ウキウキしてましたが、反面、基本的な部分を
    もっと憶えなきゃ!って思ってたんです(^^
    なのでB/W記事は楽しみにしておりました♪

  4. shangさん、おはようございます。
    同じ写真を使ってもフォトショ、現像ソフト、プラグインで B/Wの雰囲気が
    変わるので、シンプルなチャートを変換させてみたんですよ。
    赤い花が白っぽくなったり黒に近くなったりするので。
    これって真逆の表現ですよね (^^
    色情報がない B/Wで作品作りをするとやっぱり被写体勝負になりますかね。
    形とコントラストだけで勝負するので、光がより重要になる感じですね。

  5. にぃさん、怖い位の以心伝心!
    ちょうどあるサイトを覗いてた時にB/Wの話が出ていて、
    そんでもって、
    「あぁ、前ににぃさんの土台はB/Wだって言ってたよなぁ~
    ワタシもやってみようかなぁ~」
    とか思ってた時のこの記事です!!
    がんばれってことですね、はい、頑張りますです。
    すぐに顔出せなくてごめんなさい。
    「にぃさんの今年の抱負」達成のためにも(!)色々やっつけて
    早めに遊びに行きますね!!

  6. iMovieさん、おはようございます。
    B/Wは難しく考えずに楽しむのが一番ですね (^^
    B/Wを楽しむのならこの様な検証など必要ないのですが、知っているとより
    楽しめると思います (^^
    思い通りの調整にならないときは B/W化のソフトやプラグインを変えてみる
    などの選択も出来る様になりますしね。
    どんな写真も結局は自己満足の世界。
    B/Wらしいのはこれだ! という正解は無いので、狙い通りの表現ができれば
    何を使っても良いと思っていますw
    ワタクシがSilver Efexを使っているのはフィルムシミュレーションがあるので、
    過去の記憶とリンクしているのと、調整が楽だからだったりしますw

  7. bluemさん、おはようございます。
    手作業では面倒だったことがデジタルだと簡単なのが嬉しいこの頃です (^^
    お書きの通り、暗室作業で覚えた知識は無駄にはなっていません。
    アナログとデジタルの違いはあり、表現を実現する手段は違いますが
    考え方は同じですので (^^
    銀塩の頃はフィルムとペーパー、現像方法を変えることで試行錯誤して
    いましたが、PCでやる B/W化が楽なこと!w
    パラメータを弄るだけでフィルムを変えることができるので、短時間で
    いろいろ出来ますね。
    これは嬉しい事です (^^

  8. あんなちゃん、おはようございます。
    おお~ 何故か伝わってましたか! (^^
    B/Wは単なるカラーから白黒への変換ではないので、探求すると楽しいですよ。
    各色に対するグレーへの変換割合を変えることで全体の雰囲気ががらりと変わるし。
    まずはなんでもかんでも B/W化してみるとよいと思います。
    綺麗な花が毒々しくなったりするので、あれあれあれ? ってなったりするw
    ワシの抱負達成w 是非成就させて下さい (^^
    あとでメール送っておきますね。

  9. 補足で~す ^^
    >B/Wを楽しむのならこの様な検証など必要ない
    いや、そうは思ってません。
    知識は必要です。
    ちょっと、思っている事書きますね。
    ナイス兄貴さんのところで、的を得た知識を得られるんですが、
    知識先行だと、あれもこれも考えてしまって、結局写真撮らない
    方もおられるので、実にもったいないなぁ~ と思ってます。
    知識も大事だけど、経験から学ぶことも多いと思うんだけど…
    どうも、知識に圧倒されてしまって、自分には無理って方向へ
    ベクトル向く方もいるので、そう思わないで欲しいなぁ~
    それが言いたかったことなんです。 ^^
    余計なことだったかなぁ~

  10. 捕捉 (^^
    確かに知識先行で萎縮してしまうと勿体ないですね。
    まずはなんでもかんでも B/W化してみて、何かが足り無いと思ったときにでも
    このページを思い出して貰えればと思います (^^

  11. こんにちは(^^
    B/W論、勉強になります。
    まだ初心者に毛が生えた程度の知識と経験で写真に触れていますので、
    とりあえず自分が思うようにやってみて楽しんでるのですが、兄貴さんの経験と知識と検証結果を参考にさせてもらって進化してると思っています。
    RGB別のチャートのモノクロ化は興味深いですね~。
    彩度下げるだけだと全部同じグラデーションになっちゃうなんて驚きました。
    雑誌のレタッチ記事などを見ると、B/WでもRGB別にトーンカーブを調整するなど複雑な調整をしてました。
    次回も楽しみにしています(^^

  12. Jerryさん、こんにちは。
    論ってw 単なるチェックですwww
    知らなくても B/Wは楽しめますが、知ってると最短時間でやりたい事へ
    辿り着けますよね (^^
    > 彩度下げるだけだと全部同じグラデーションになっちゃうなんて驚きました。
    ですよね!
    以前やってみてビックリしましたよ。
    なるほど、これで B/W化しても物足りなく感じるわけだ! って妙に納得しましたw
    > B/WでもRGB別にトーンカーブを調整するなど複雑な調整をしてました
    そそ、そうなんですよ。
    赤に対する感度を変えたりして全体の色調(濃度)を調整するんですよね。
    それが最後に貼った Lrのコントローラでございます。
    プラグインにも必ず装備されているほど重要なコントロールなのでございます。

  13. B/Wはずっと興味がありつつも
    なかなか良い結果に出会えず、
    たまに思い出したようにやってみて
    やっぱり難しいな、と振り出しに戻るw
    人の目は光の波長によって感度が異なり、
    555nm(緑色)が一番感度が良いそうです。
    単純に彩度を落としてパッとしないのは、
    この辺りも関係あるかもしれないですね。
    さらに表現の意図によって
    B/Wで強調したい色も人それぞれでしょうから、
    ますます難しいですね^^;
    考えるほどわからなくなるのでw、
    いろいろやりながらこういう場で
    経験と知識を融合して行くのが良いのでしょうね。
    うん、まずはてきとーに色々やってみよw

  14. ask-evoさん、こんばんは。
    B/Wで格好良く決めるのは難しいですね。
    キタ━━━(゚∀゚)━━━!! ってのが無い!
    凄いB/Wばかりみてハードルが高くなっているだけのような気もしますがw
    B/W化の仕組みを覗いてみると興味深かったです。
    彩度 0がこんな風になるなんてビックリしましたよ (^^
    白黒フィルムの色域に対する感度が違うから各社ともそれなりのパラメータを
    研究しているんですな~
    > うん、まずはてきとーに色々やってみよw
    それが一番ですね (^^

  15. こんばんは^^
    B/Wの記事楽しみにしてて、真剣に読んでみたけど
    いったい自分どれくらい理解できてるだろ? >_< 私が(奥が深そう)って思ってたより、さらにさらに もっと深そうです。 とりあえず印刷して、また兄貴さんメモに加えておけば そのうちもっと理解できる日も来るかな。 兄貴さんのもっとお若い時のお話。その時に得た知識や 経験が今も生きてるんでしょうね。

  16. pattanさん、こんばんは。
    むはっ ちょっと理解し難い記事でしたか。
    でも大丈夫! B/Wをしているときに ん~ と思ったら思いだして下さいな (^^
    いつか必ず そうか! そうだったんだ! ってなるときが来ますよ♪
    記事を印刷までして頂き光栄でございます。
    ブックマークに秘密基地の記事フォルダを作って、ブックマークした方が安上がりかもw
    写真館での経験と得た知識は大きいですね。
    もちろん今の基礎になっております。
    指導してくれたにいちゃんはエッチだったしwww

  17. 勝手にブログでリファレンスに使ってしまったのに
    わざわざポインタ貼っていただいて。
    ワタクシ、この記事をブックマークすることにしましたwww
    まさにB/Wですよ!
    この頃またB/Wブーム来てますので、熟読します(^^ゞ
    感覚だけじゃなくて、ちゃんと知識として持っていたいですものっ

  18. 過去記事へのコメント┏O)) アザ━━━━━━━ス!
    最近 B/Wをやっていないので、久しぶりにやりたくなったな~
    梅雨の時期なので B/W前提の撮影だと楽しめるかもです。
    よし、FA31をデフォのレンズにしよ♪

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